2012年 10月 16日
お茶講体験
闘茶、茶歌舞伎、茶香服、御茶香、御茶講
・・・と様々な名前があるお茶遊び。 国によって、時代によって、地域によって、様々な形があるようで。 中国での「闘茶(斗茶)」は、中国政府公認の茶芸師の教科書によると、 「お茶を点てて、表面に出る泡(=湯花)の美しさ、持続性を競う」遊び。 日本で行われてきたのは、 産地当てだったり、見本と同じお茶を飲み当てるものだったりで、 泡の美しさというのはないようです。 現在は、茶道でも茶カブキというやり方の確立されたお茶当てが行われていますが、 1330年代ごろにはあった闘茶の詳細は、様々な形があって、完全にはわかっていないよう。 そんな闘茶が、農村にまで伝わって、 現在まで伝承されている集落が1つだけあります。 群馬県中之条町白久保 地域の天神さんのお祭りの夜、 その年の豊作を占う行事として行われているそう。 今回は、その体験をさせてもらえるという会に参加してきました。 ここでのお茶講は、 甘茶、煎茶(シブ茶)、陳皮の配合を変えたお茶4種類が 順不同に7服回ってきて、どれがどのお茶なのかを当てるもの。 材料は、それぞれ、炒って、挽いて、篩って、粉にされています。 このお茶の作り方は、なんだか中国宋代のお茶の入れ方みたいですね。 回ってくるお茶は、こんなお茶。 すでに茶杯が茶色なので、わかりにくいですが、 エスプレッソに牛乳を数滴といった色・・・私が上海で飲んでた漢方みたいだ。 なにせ、挽いただけのお煎茶などが材料なので、 溶けるわけもなく、濁りまくってます。 味? ご想像通りです。 甘茶が8割のものなんて、甘いのなんの。 1服飲んでは、順に1人ずつ解答していくのですが、 他の人の解答を聞いて、迷いが出たり、 相対評価で、さっきの解答の間違いに気づいたりで、 葛藤あり、動揺あり(笑 室町時代あたりには、かなりの豪華景品がかけられ、 武士の間で完全にギャンブル化していた闘茶。 地域の寄合として行われているここでは、解答に応じて、 のどかに飴が賭けられています。 なのに、解答発表と飴の分配では、童心に返って、一喜一憂。 決して美味しいとは言えないお茶で、ここまで盛り上がるか?! ちなみに私、7問中、正解はたったの2問。 最初のお茶で判断を誤ると、あとあと響きます。 私の名誉のためにも言っておくと、講師の先生を始め、 ベテランの皆さんも、必ずしも正解率が高いわけではなく、 当たらないからこそ、毎年、リピーターとして真剣勝負を挑んでおられるという・・・ いろいろな情報が錯綜し、よくわからなかった闘茶について 結局のところ、形式いろいろ、歴史もいろいろで 一言じゃ語れないし、裏付けの記録もまばら ・・・と、要するに「よくわからない」ということが はっきり分かったことは、大きな成果でした。 そして、なにより、お茶経験値の高い人たちでも、 「美味しくないお茶で、ここまで盛り上がれる」 これは、新鮮でしたねー(笑
by paocha08
| 2012-10-16 00:33
| お茶会・セミナー
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